夜、台所の電気をつけた瞬間、黒い何かがサッと動く。あの一瞬の嫌さは、経験した人にしか分からないと思います。網戸もサッシもちゃんと閉めているのに、どこから入ってくるのか分からない。そんな悩みを抱えている家庭は、意外と多いのではないでしょうか。
ゴキブリ対策には置き型、くん煙剤、スプレーといろいろありますが、今回試したのは隙間にダイレクトに一押しできる「ゴキブリワンプッシュプロプラス」です。
先に言っておきたいデメリット
いいことばかり並べても信用できないと思うので、気になる点から書きます。
ワンプッシュ型の殺虫剤は、仕組みとして駆除した個体の死骸を目にする可能性があるタイプです。実際、この手の商品カテゴリでは「死骸を見たい派」と「見たくない派」で好みが分かれることが日経クロストレンドでも取り上げられるほどで、競合のアース製薬「ゴキプッシュ」は死骸を見せない設計を売りにしています。ワンプッシュプロプラスはそちら側の設計ではないので、虫の死骸自体が苦手な人には向かないかもしれません。
使用時の手間もあります。部屋を締め切って使うタイプなので、使用中は部屋から出る必要がありますし、食器や食品はあらかじめ片づけておいた方が安心です。観賞魚や小動物を飼っている家庭は、水槽やケージを別室に移すなど配慮が要ります。この辺りは、パッケージや公式サイトの使用上の注意を必ず確認してください。
正直、この2点だけ見ると面倒に感じるかもしれません。それでも使う価値があると感じた理由を、このあと書いていきます。
基本情報:フマキラー製、防除用医薬部外品
ゴキブリワンプッシュプロプラスは2018年発売、フマキラー株式会社の防除用医薬部外品です。有効成分はd-T80-シフェノトリンというピレスロイド系の成分で、隙間に一押しするだけで、その場にいるゴキブリはもちろん、後から侵入してくる個体や、卵からふ化した幼虫にも対応するとされています。効果は最大1ヵ月持続するとメーカーは案内しています。価格帯はおおむね800円台〜1,500円程度と、日用品としては手が届きやすい範囲です。
置き型・くん煙剤とどう違うのか、比較してみる
「結局、いつもの置き型でいいのでは」と思う人のために、比較ポイントを絞って表にしました。
| 比較ポイント | 置き型 | くん煙剤 | ワンプッシュ型 |
|---|---|---|---|
| 効き始めるまで | 個体が薬剤に触れるまで待つ | 使用後しばらく部屋を空ける必要 | 一押しした瞬間から作用 |
| 対応範囲 | 設置場所周辺 | 部屋全体 | 狙った隙間・物陰 |
| 準備の手間 | 設置するだけ | 食器・寝具の養生、退避が必要 | 部屋を空ける必要はあるが養生は軽め |
| 死骸を見る可能性 | 見えない場所で駆除されることが多い | 見えない場所で駆除されることが多い | 製品によっては見る可能性あり |
| こんな時に向く | 日常的な予防・常備 | 大掃除のタイミングでまとめて | 今すぐこの隙間に対処したい時 |
表にすると分かるとおり、ワンプッシュ型は「即応性」と引き換えに、死骸を目にする可能性という要素を受け入れる商品です。部屋全体をまとめて対処したいなら置き型やくん煙剤、目の前の隙間にすぐ手を打ちたいならワンプッシュ型、というのが向き不向きの分かれ目だと思います。
実はアース製薬だと思い込んでいました
正直に告白すると、私はこの商品を長らく「アース製薬か金鳥系のどちらか」だと思い込んでいました。今回記事にするにあたって改めて調べてみたら、正しくはフマキラー製。ずっと勘違いしたまま買い続けていたわけで、これはちょっと恥ずかしい話です。
ただ、この勘違いに気づいたこと自体、逆に言うと「メーカーを意識しないくらい自然に使い続けていた」商品だったとも言えます。ブランドで選んだわけではなく、置いてあったから使っていた、それくらいの距離感でした。
実際に使ってみて
超強力で、最近使って正直感動しました。ここまで手応えを感じたのは久しぶりです。
うちも梅雨時期を中心にゴキブリはそれなりに出る家で、以前はブラックキャップを使っていました。効果自体はしっかりあったのですが、部屋のあちこちに置いて回る手間や、効果が切れる期限の管理が地味に面倒で、切れかけると出てくる数がまた増えてくる。置いたキャップ自体が邪魔になるのと、独特のにおいが気になっていたのも正直なところです。
そんな時に「これが超強力らしい」という話を聞いて、試しに買ってみることにしました。説明書をざっと確認して、その晩さっそく家具の隙間などにプシュッ、プシュッと数ヶ所吹きつけてみました。
一押しするだけで済む手軽さは、置き型のように何日も待つタイプとは違う安心感があります。「今、目の前の隙間に効かせたい」という場面で、この即応性はありがたいところです。
翌朝起きてみると、正直ちょっとホラーでした。部屋のあちこちに、動かなくなった個体がいくつか転がっていて。その翌日にも数匹、さらに翌々日には1〜2匹という感じで、3〜4日ほど効果が続いて出てきましたが、そこからはピタッと見なくなりました。体感で3〜4ヶ月はまったく出てこなかったです。
吹いてもいやなにおいが残らないのも地味にありがたいポイントです。プシュッと数ヶ所吹くだけで施工自体もあっという間に終わり、ブラックキャップのように使用済みのキャップがゴミとして出ることもないので、後片付けの手間もありません。
くん煙剤のように部屋全体を燻すほど大がかりではなく、気になる隙間だけをピンポイントで狙えるのも扱いやすい点だと感じています。
またちらっと見かけるようになったら、そのタイミングでもう一度吹いておけばまたしばらく見なくなります。むしろ見かけてから慌てて対処するより、少し早めのペースで定期的に吹いておく方が、結果的に「G」をほぼ見ない状態を保ちやすいと感じています。ブラックキャップ時代のような設置・期限管理の手間がなくなったのも、地味にありがたいところです。
総合的には結構快適に過ごせていて、正直かなりおすすめです。ただ、吹いた翌朝は先ほど書いた通りちょっとホラーな光景になるので、死骸を見るのが苦手な人はそこだけ覚悟しておいた方がいいと思います。
こんな人におすすめ
・網戸やサッシをちゃんと閉めていても、どこからか侵入されている気がする人
・くん煙剤のように部屋全体を空けて燻すほどの手間はかけたくない人
・隙間や物陰など、狙った場所にピンポイントで対処したい人
逆に、虫の死骸を見ること自体がどうしても苦手な人は、死骸を見せない設計を売りにしている競合製品の方が向いているかもしれません。また、観賞魚や小動物がいる家庭は、使用前の退避などひと手間かかることは理解した上で使う必要があります。
よくある疑問
どのくらいの頻度で使えばいい?
メーカーは効果が最大1ヵ月持続するとしています。正確な使用頻度や使用量はパッケージの表示に従ってください。
ペットや小さい子どもがいても使える?
防除用医薬部外品としての使用上の注意がパッケージに記載されています。ペットや子どもがいる家庭は、退避や換気など注意事項を必ず確認してから使ってください。ここで独自の安全性を断定することはできません。
卵にも効果がある?
メーカーの説明では、卵からふ化した幼虫にも対応するとされています。ただし未ふ化の卵そのものへの効果は別問題なので、パッケージの表示範囲で理解しておくのが安全です。
まとめ
ゴキブリワンプッシュプロプラスは、隙間にピンポイントで対処したい人にとって、手軽さと実感のバランスが良い商品だと感じました。死骸を目にする可能性がある設計である点、使用時に部屋を空ける手間がある点は正直なデメリットですが、それを差し引いても常備しておきたいと思える一本です。
なお、ここで書いた使用感はあくまで個人の感想であり、効果や感じ方には個人差があります。防除用医薬部外品のため、使用にあたってはパッケージの表示・使用上の注意をよく読んでお使いください。
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