お気に入りのニットやセーターを、いつもの洗剤でそのまま洗っていいのか、迷った経験はありませんか。実は、普段使いの洗濯洗剤のほとんどは弱アルカリ性なんです。皮脂や汗といった酸性の汚れを中和する力が強いぶん、生地への負担も大きめにできていて、木綿や化学繊維ならそれで十分足りるものの、ウールやシルクなど動物性たんぱく質の繊維は、アルカリに触れると縮んだり傷んだりしやすいという性質。
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そこで活躍するのが、液性が中性のおしゃれ着用洗剤です。今回は、ライオンの「アクロン」と花王の「エマール」という代表的な2つを比べてみました。どちらも人気がありますが、力の入れどころはかなり違うんです。価格や特徴の比較から、選び方のポイント、使い方の基本まで、順に見ていきます。
アクロンとエマール、まずは数字と特徴を並べて
アクロンは、今回リンクしているフローラルブーケの香りの詰め替えジャンボサイズ(1590ml)が1,224円前後。液性は中性、すすぎは1回で済みます。上位ラインの「アクロンやさしさプレミアム」にいたっては、すすぎ0回を謳っています。柔軟成分もあらかじめ配合済みで、別途柔軟剤は不要。対象素材はウール・カシミヤ・デニム・シルクと、かなり具体的に明記されています。
一方のエマールは、同じく今回リンクしているアロマティックブーケの香りの本体460gが363円前後。液性は中性ですが、すすぎは2回必要です。柔軟成分の記載はなく、コーティングでなめらかさを補う設計。対象はニット・カットソー中心です。
どちらも液性は中性なので、アルカリが苦手な繊維にやさしく洗うという大前提は同じです。金額だけ見れば、少量サイズから始められるエマールのほうが手を出しやすいですね。ただ、内容量がまったく違うので単純比較はできません。しかもこの2つ、洗剤として目指す方向がそもそも違うんです。そこで次は、商品そのものよりも先に「何を軸に選ぶか」を整理しておきます。
比較一覧
| 項目 | アクロン | エマール |
|---|---|---|
| 価格の目安 | 1,224円前後(詰め替え1590ml) | 363円前後(本体460g) |
| 液性 | 中性 | 中性 |
| すすぎ回数 | 1回(プレミアム版は0回) | 2回 |
| 押している強み | 5つのダメージをまとめてケア・毛玉予防 | 繊維の内部補修・シワとカタチの回復 |
| 柔軟成分 | 配合済み、別途柔軟剤不要 | 別記載なし(コーティングでなめらかさを補う設計) |
| 対象素材の明記 | ウール・カシミヤ・デニム・シルクまで具体的 | ニット・カットソー中心 |
すすぎを1回で済ませたいなら、表の左、アクロンです。
メーカーが謳うシワやカタチのケアを先に置くなら、表の右、エマールです。
おしゃれ着洗剤を選ぶときの5つのポイント
いきなり商品を見比べるより、軸を決めておくほうが失敗が少ないと思います。おしゃれ着洗剤については、次の5つを押さえておくと迷いません。
普段の洗剤で足りるかどうか
普段の洗濯洗剤は弱アルカリ性で、生地への負担が大きめ。木綿や化学繊維ならそれで足りるので、中性洗剤の出番は、アルカリで縮みや傷みが起きやすいウールやシルク、そして型崩れが怖い服と考えるとすっきりします。
すすぎの回数
手洗いは、洗剤を溶かす工程よりも、すすぎで水を替える回数のほうが負担になりやすいもの。すすぎ1回で足りる製品と2回必要な製品があり、上位ラインですすぎ0回を謳う製品まであります。地味なようで、続けやすさを大きく左右するポイント。手洗いを頻繁にするご家庭ほど、効いてくる差です。
繊維へのアプローチ
メーカーが打ち出す方向は2つに分かれます。繊維の内側に成分を届け、洗うたびにシワやカタチを戻すと謳う「補修寄り」。表面をコーティングして、シワヨレ・型くずれ・縮み・色あせ・毛玉をまとめて防ぐと謳う「保護寄り」です。ここが2製品を分ける、いちばん大きな分かれ目になります。
柔軟剤を別に用意するか
柔軟成分があらかじめ入っている製品なら、ボトルを1つ減らせます。入っていない製品は、なめらかさを別の柔軟剤で補う必要があります。
洗う素材の範囲
対象をウール・カシミヤ・シルク・デニムまで具体的に挙げる製品もあれば、ニット・カットソー・ワンピースなど普段使いのおしゃれ着を幅広く置く製品もあります。自分のクローゼットと照らし合わせると、合うほうが見えてきます。
各商品の詳細
アクロン(ライオン)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | ライオン |
| 液性 | 中性 |
| すすぎ回数 | 1回(やさしさプレミアムは0回) |
| 柔軟成分 | 配合済み |
| 対象素材 | ウール、カシミヤ、デニム、シルク |

メーカーの謳い文句は「5つのダメージゼロ」。シワヨレ・型くずれ・縮み・色あせ・毛玉を、まとめて防ぐというものです。仕組みとしては、シルキータッチ成分と繊維保護成分(SAPA)が繊維をコーティングして、毛玉予防を謳っています。先ほどの「保護寄り」に振り切った設計ですね。
柔軟成分があらかじめ配合済みなので、柔軟剤を買い足す必要がありません。すすぎ1回で済むのも楽で、上位の「アクロンやさしさプレミアム」ならすすぎ0回まで謳っています。対象素材がウール・カシミヤ・デニム・シルクと具体的に書かれているので、「この服、洗って大丈夫かな」という判断もしやすいでしょう。
エマール(花王)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | 花王 |
| 液性 | 中性 |
| すすぎ回数 | 2回 |
| 香り | リフレッシュグリーン、アロマティックブーケ |
| 対象 | ニット、カットソー、ワンピース、パンツ |

対するエマールが打ち出すのは、繊維そのものを補修する方向です。「ダメージリペア技術」で繊維の内側にアプローチし、洗うたびにシワやカタチを回復させるというのがメーカーの謳い文句。ハリ感チャージ成分は従来品の2倍配合と案内されていて、伸びてしまったニットの首元やカットソーの形を整えるのが狙いです。蛍光剤と漂白剤は無配合。汗や皮脂の汚れ落ちにも力を入れているとされ、きれいめの服を着る機会が多い人には響くポイントです。
対象はニット・カットソー・ワンピース・パンツなど普段使いのおしゃれ着まで幅広く、日常着をまとめて任せやすい印象。ただし、すすぎは2回必要で、時短という点では弱点になります。香りはリフレッシュグリーンとアロマティックブーケの2種類から選べます。
どちらを選んでも、使い方はほぼ同じ
ここは意外と知られていませんが、どちらの洗剤でも手洗いの手順は大きく変わりません。洗面器に水かぬるま湯を張り、規定量の洗剤を溶かしてから衣類を沈め、押し洗いで数分が基本です。強くこすったり、ねじって絞ったりすると型崩れの原因になるとされるので、優しく扱うのが肝心。
水分はタオルに挟んで吸わせ、干すときは平干しネットを使うと肩のラインが伸びにくくなります。なお、洗濯機の手洗いコース・ドライコースで代用できるという案内もあり、実際に使っている方も多いようです。ただ、ネットに入れても型崩れが心配な服は手洗いのほうが安心、という声も口コミに見られました。
どんな人にどっち?タイプ別のおすすめ
ここまでの内容をふまえて、ライフスタイル別に整理してみます。当てはまるものがあれば、そこから候補を絞れるはずです。
平日の夜に短時間で済ませたい人には、アクロンが1本あると心強い味方。すすぎ1回で終わりますし、柔軟剤を別に買わなくてよい点も、洗面所の在庫を減らしてくれます。
型崩れしやすいニットを長く着たい、繊維そのもののダメージが気になるなら、エマール向きです。ダメージリペア技術を掲げる設計で、洗うたびに形を取り戻す方向。ただし、すすぎの手間は増えます。
ウールのコートやカシミヤのマフラーなど、素材ごとの向きを確認してから選びたいという場合も、アクロンが使いやすいです。対象素材の記載が具体的なので、判断材料がはっきりする点。
カットソーやワンピースがクローゼットの中心なら、エマールと対象の幅が重なります。普段使いのおしゃれ着をまとめて任せられます。
迷ったら、まずはアクロンを1本。それでも1本に絞れないなら、少量サイズや詰め替えパックで両方試してから決める方法もあります。どちらも高価な買い物ではないので、失敗の負担は小さめ。
手洗いを短くするなら、このアクロン1本です。
ニットのカタチを先に見るなら、このエマール1本です。
まとめ
エマールとアクロンは、同じおしゃれ着用の中性洗剤でも、力を入れている方向が分かれます。すすぎ1回で、柔軟成分まで入っているのはアクロンです。メーカーが謳う繊維の補修とシワ・カタチの回復を先に置くなら、エマールを1本。そしてまず1本置くなら、手洗いの回数が多い家庭ほど、アクロンが合うでしょう。まずはご家庭の洗濯事情と照らし合わせて、洗面所に置く1本を決めてみてはいかがでしょうか。


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